「今月からみんな【HTL】ってスコアネームにつけるぞ。お前もつけるんだ。」
突然地元の先輩スコアラーのKさんから言われた。
「え?それは何?」
私は尋ねた。
「まぁ細かいことは気にせず。今月からみんなでつけることになったんだよ。」
要を得ない返答であったが、とりあえずスコアネームの頭にHTLというサークル名らしきものがつけられるようになった。
【HTL】はどうやら広範囲に当時のハイスコアサークルをまたいでつけられているようだった。
「今月からみんなでつけることになった」のは本当だったようだ。
聞けばダライアスのハイスコアで揉め事があり、架空の人物の【HOTEL】氏のネームから採って【HTL】となったらしい。
「HOTELって奴はいないみたいなんだが、Kの頭の中ではいるみたいなんだ」
「どうしても架空としか思えないからもう相手にしないけど、まぁだから【HTL】ってことなんだよ」
・・・そうだったのか。
高校1年になりたての頃だった私は、正に「訳も分からず」とにかくHTLというサークル名を何となく気が向いたときに付けるようにしたりしなかったりしていた。
という書き方からもわかる通り、よくわからないサークルだった。
しかしこの「架空の人物」を生み出した人物、仮に「N-K」としておこう。
Nはサークル名、Kはスコアネームの頭文字だ。
ここで私はもともとそこそこ有名であったNというサークルが強烈に印象に残り、今でもこのNに関わる人物に会うと酒の勢いもあって(大体が酒席で会う為)、こう言ってしまうのである。
「やっぱりHOTELっていないってことでいいんだよね?」
とか、
「お前は普通に単なるM(スコアネーム)だったら良かったんだけど、NのMだっていうんだから話は変わってきちゃうんだよね。」
(サークル名もスコア名もイニシャルなので、記事をお読みの方には少し分かりづらい記述で申し訳ない)
この私の酒席での絡みはPC-巣鴨のスコアラーのH氏も全く同意見で、
「そうそう、単なるMなら何でもないんだけど、NのMだとなると話は大いに変わってくるんだよね。それで、HOTELくんっているのかい?」
・・・となるわけだ。
この【HTL】というサークルはハイスコアの歴史の中では最強に近いサークルであると思っている。
全国の多くのスコアラーが各自のスコアネームの頭に冠し、「HTL-G.M.C.らじあめ」みたいな感じで、全一の常連サークルのメンバーさんたちが結構参加をしていたからだと思う。
80年代後半辺りからスコアネームにメッセージをのせて申請をすることが流行ったが、
私はこの【HTL】も3つのアルファベットでメッセージをのせている、一つの表現だと思っている。
自分が大学生になって、初めてそう思った。
大学生になるまではそれほど真剣にハイスコアをやっていなかったので、サークル名やスコアネームの意味については深く考えることはなかったのだが、
関西に遠征に行った時や周りのスコアラーと話をしている中で、結構みんながサークル名やスコアネームの意味についてあれこれ考えているのを知って感化されたと言ったところであろうか。
この後【HTL】はDBLというサークルを経て現在のZBLへと繋がっていると、ツイッターや他のSNSでは時々書いていたが、
高校時代にひょんな事から付けることになった【HTL】が、今でも自分のスコアネームの一部になっているという事に、奇妙な因縁というか感慨深いモノさえ感じてしまうのだった。
・・・ということで今回の記事を終わりとさせて頂く。
ZBL-rajiame 拝