誰でも気づくのではあるが、ハイスコアを狙うときの自分のスタイル、これは他人とは違っている。
ところが自分の周りに凄すぎるスコアラーや先輩方がいる場合は、憧れからか尊敬からか、はたまたライバル心からかは人によって様々であろうが、
「この人みたいにやってみよう」
と思う事も多くある。
そして時折自分のペースやスタイルを見失う。
かつて巷で20世紀最強のシューターと言われていたZBL-NAI氏もまた、その才能と無邪気な個性で周りのスコアラー達を大いに巻き込んでいった。
グラIIに始まり多くのシューティングゲームの全一を取り続けてきた彼の具体的な話を聞くようになったのは’90年丁度ぐらいの時だった。
初代雷電1000万点一番乗りは誰になるのかと、東西のスコアラーで情報戦も含めて争っていた頃だ。
その頃に越谷近辺のスコアラーのZ氏やR氏と知り合った。
NAI氏は桁外れに上手いのだが、ハイスコアにはそんなに興味はなく、ただ、
「長く遊べるから楽しい」
ぐらいの感覚でゲームをプレイしていたようだった。
「グラIIも多分2000円ぐらいしか使っていないんじゃないかな?いや、それだと少なすぎか。でも、どう考えても5000円は使っていないのは間違いないですよ。」
とか、
「他人の捨てゲーを拾ってそのままタダでずっと遊んでいるとかはしょっちゅうですよ。」
・・・等の話は枚挙にいとまがない。
内容が桁外れだったり面白かったりしたのが印象的だった。
そんなNAI氏と知り合って越谷の様々なプレイヤーさんたちとも交流が深まっていった。
いつもこのブログには書いているのだが、埼玉のスコアラーのレベルは非常に高い。
越谷だけもNAI氏もそうだがTさん、Eさん、Oさん、Zさん、Yさん・・・と、数多の凄腕プレイヤーがいるものだ。
それでもやはり皆さんは、
「NAIにはかなわないよ」と口をそろえて語っていたものだった。
越谷にはNAI氏よりも先輩の方が多かったのだが、この他にもハイスコア界への参入がNAI氏よりも後からのスコアラーさんがいたりもした。
NAI氏が先輩的存在になるものだから「NAI氏を目指すぞ」となる訳なのだが、この記事のタイトルにも関係するのだが、「自分のスタイル」は自分の骨として持っていなくてはならない。
これは言い換えると、「自分を知っていること」とも言える。
更に言うのならば、「自分探しの旅の出発点は知っているかい?」という自分への問いかけとも言える。(笑)
この「自分のスタイル」=「自分」がしっかりしていないと、先輩方を目指して突き進み、自分の道から遠回りをしてハイスコアを目指していくことになる。
年をとったからこそなのか、こういった当時の事を俯瞰して観ることが出来るようになったのではあるが、
90年代後半辺りでこの話を別のスコアラー(多くの越谷のスコアラーをよく知る人物)と話をしていて、当時私も気づかされたのであった。
スコアラーを長くやっていれば、ゲームを通して自分の事が分かっていく。
ハイスコアだけでなく何でもそうなのではあるので、何でも良いのだ、
「本気で何かに取り組んでいれば、自分の事が分かってくる」
・・・そういう話という事で、この記事を締めさせて頂くのである。
ZBL-rajiame (拝)